後藤茂之厚労相は8日の衆院予算委員会で、安倍晋三元首相が在任中に新型コロナウイルス対策として配布したが、約8300万枚の大量在庫が問題となった布製マスク「アベノマスク」の無償配布費用が10億円と試算されたことを巡って「配布コストをある程度かけても、それは国のやることとしては廃棄のコスト以上のコストをかけてならないという理屈ではない」などと配送費の国費負担を容認する姿勢を示した。

400億円以上をかけて調達したアベノマスクの大量在庫を廃棄処分した場合の費用は約6000万円と試算されている。立憲民主党の山井和則氏から「廃棄したら6000万円です。でも、それに5億、10億かけるということはあり得ない」と追及された後藤氏は「できる限りコスト節減に努める」としたが、アベノマスク処分を巡る論議は収まらない。【大上悟】