株式会社ポケモンは10日、イラストレーター古塔つみ氏が制作にかかわったTシャツについて、返品やオンライン注文のキャンセルに応じることを公式サイトで発表した。古塔氏のデザインを巡っては、既存の写真やイラストを写し取る「トレース」の手法で作品を制作したとして「トレパク」などの言葉で報じられ騒動化していた。ポケモン社はこの点については「(商品は)オリジナルであると判断した」とコメントしている。

発表によると、対象となるのは、ポケモンのキャラクター「ポッチャマ」を取り扱ったTシャツ「ポッチャマ*古塔つみリンガーTEE」。公式サイトでは、「弊社が『プロジェクトポッチャマ』の活動の一環として行った作品展示、またその作品を用い、PUBLIC TOKYOで販売された商品について、お問い合わせやご指摘をいただくなどご心配をおかけして、誠に申し訳ございません」と謝罪。続けて「作品制作にあたったイラストレーター古塔つみ氏の一連の報道や行為に関して、弊社としては大変遺憾であると同時に、今回のコラボレーションを楽しみにしてくださったお客様の期待を裏切った点について、当事者として深く反省しております」と記された。

この点で調査を行ったことも報告。「作品制作のプロセスなどを調査した結果、『プロジェクトポッチャマ』の作品はオリジナルであると判断いたしましたが、弊社といたしましては、今回の件を重く受け止め、PUBLIC TOKYO神宮前店開催のポップアップストアならびにオンラインストアで販売した『ポッチャマ*古塔つみリンガーTEE』の返品、オンライン注文のキャンセルを承ることにいたしました」と発表し「お客様には多大なご迷惑とご心配をお掛けしていることを深くお詫び申しあげます」と謝罪の文面を掲載した。

古塔氏は3日の段階でツイッターを更新し、「引用・オマージュ・再構築として制作した一部の作品を、権利者の許諾を得ずに投稿・販売してしまったことは事実です」と認め謝罪した上で、「私の作品をご利用いただいていますクライアントの皆様方へも大変ご迷惑をおかけしています。クライアントワークは全てオリジナル作品です。引き続き真摯に対応して参ります」とコメントしていた。古塔氏は音楽ユニット、YOASOBIのキービジュアルを担当したことでも知られる。