将棋の史上最年少5冠、藤井聡太竜王(王位・叡王・王将・棋聖=19)が名人戦挑戦権を争うA級への昇級を目指す、第80期順位戦B級1組最終戦の佐々木勇気七段(27)戦が9日午前10時、東京・千駄ケ谷「将棋会館」で始まった。先手後手は事前に決まっており、藤井は後手。

両者の対戦成績は藤井の2勝1敗。2017年(平29)7月の竜王戦決勝トーナメントでデビューから無傷の29連勝と、連勝新記録を達成した直後に初黒星を喫した。一昨年の順位戦B級2組、昨年のテレビ棋戦「銀河戦」と連勝している。

13人総当たりのB級1組リーグ戦でここまで9勝2敗とトップの藤井は、今局に勝てば昇級枠の2位以内が確定し、A級に初めて昇級する。8勝3敗で追う稲葉陽八段(33)は郷田真隆九段(50、稲葉先手)、同星の千田翔太七段(27)は木村一基九段(48、千田先手)と同所で対戦している。藤井を追う2人のうちのどちらかが負けてもA級昇級となるが、スンナリ自力で決めたい。

佐々木に敗れた場合、順位(相撲の番付のようなもの)が11位と低い藤井は、順位1位の稲葉と同7位の千田がともに勝って同じ9勝3敗で並ぶと、上位2人が昇級するという規定により、昇級できなくなる。

持ち時間は各6時間。正午から40分の昼食休憩、午後6時から40分の夕食休憩を挟んで、夜遅くに決着の見込み。