岸田文雄首相は17日午前の参院予算委員会で2022年度の当初予算案にウクライナに軍事侵攻しているロシアへの経済協力を含む事業に約21億円が盛り込まれていることについて「参加した日本企業に必要な情報提供など今後、不透明な状況の中で日本企業にどのような支援を行うか、こういった予算に含まれている。修正などは考えていない」などと重ねて答弁した。

立憲民主党の蓮舫参院議員から「この予算を編成した時には、こうした不透明なウクライナ情勢はありませんでした。そんな予算入っているわけがない」と追及された岸田首相は「おっしゃるように予算編成した時点では今回の事態は想定されていなかった。しかし、このプランに参加していた日本企業は今後、どう対応するのか。この先を考えていかなくてはならない」と釈明した。蓮舫氏からは「編成した時に入っていない目的に予算を使うのではあれば修正が必要」と指摘されたが岸田首相は「元もと、日本企業に対する情報提供などの予算として設けられている」などと反論した。

ロシアへの経済協力を含む事業8項目のプランは2016年に安倍晋三元首相が、ロシアのプーチン大統領に提案したものでサハリンなどでの石油、ガス等のエネルギー開発協力以外にロシア産業の多様化促進や生産性向上、先端技術協力などが含まれている。対ロ制裁の強化を進める一方で経済協力という矛盾が浮かび上がっている。