山口県の阿武町(あぶちょう)が、新型コロナ禍対策の臨時特別給付金10万円をめぐり、対象の463世帯分に相当する計4630万円を誤って町内の男性(24)に振り込み、返還を求めて提訴した問題で、男性が「金は海外の複数のインターネットカジノで全部使った」などと説明していることが17日、分かった。

男性の代理人弁護士が認めた。町側は、金の流れ、使途の解明や、回収に全力を尽くす構えで、刑事告訴も検討している。前代未聞の誤給付問題は、一層混とんとしてきた。

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国際カジノ研究所の木曽崇所長 男性がお金を使い切ったかは、カジノ業者から収支リポートを出してもらわないと分からないです。ただ、収支リポートを発行しない業者もあります。どのネットカジノを利用していて、男性がどこまで証明するつもりがあるのかが問題になってきます。本当にネットカジノに入金しているのであれば、暗号資産などに変換していることもあります。取り戻すとなると、国際捜査となり、とても手間がかかります。

日本国内から海外のカジノサイトで賭けをしたら違法ですが、ネットでは数十のサイトが見つかります。国際カジノ研究所の調査では、日本人の利用者では20~40代の男性が多いことが分かっています。ネットカジノのサイトには、遊び方や振り込み方などを日本語で紹介したり、日本語対応の電話コールセンターも開設されています。