バイデン米大統領の就任後初となるアジア外遊を前に、韓国入りしていたシークレットサービスの職員2人が、現地でけんか騒ぎを起こして米国に送還されたことが分かった。

米ABCテレビによると、20日のバイデン大統領の訪韓に先駆けてソウルに到着した職員2人は19日夜、夕食後にバーを数軒はしごして飲み歩き、夜が更けるにつれて明らかに酔いが回って酩酊(めいてい)状態となり、タクシーの運転手と激しい口論になったという。CNNも帰路につく際にタクシーの運転手ら韓国人2人と口論となり、最終的に警察が出動する事態になったと報じている。

その場で拘束や逮捕はされなかったものの、ソウル警察は職員が帰国便に搭乗する直前に事情聴取を行ったと伝えられている。2人は現時点で起訴はされていない。事件は勤務時間外に起きたものだが、シークレットサービスでは職員に対して勤務開始から10時間前までの飲酒を禁止しており、方針違反に該当する可能性があるという。FOXニュースは情報筋の話として、2人の職員は懲戒処分となる可能性があると伝えている。

CNNによると2人は共に武器を携帯していたというが、物理的セキュリティーの準備と後方支援計画の責任者で大統領に先行して渡航する派遣チームのメンバーではないという。シークレットサービスの報道官は、職務時間外に職員2人が関与した事案について把握しており、休職扱いなったと説明している。

バイデン大統領は22日から24日の予定で日本を訪れる。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)