将棋の里見香奈女流4冠(30=女流王座・女流王位・女流王将・倉敷藤花)が27日、大阪市の関西将棋会館で行われた棋王戦予選決勝で古森悠太五段(26)を99手で破り、女流棋士として史上初のタイトル戦の本戦に進出した。同時にプロ棋士相手の直近公式戦成績を10勝4敗とし、プロ編入試験を受けるのに必要な「最近の公式戦で10勝以上、かつ勝率6割5分以上」の条件を満たし、女性で初めて受験資格も得た。

終局後の里見4冠は記者会見。主な一問一答は以下の通り

-本戦入りした気持ちと意気込みを

里見 ここまで勝てると思っていなかった。また1つ多く対局できるということで、すごくうれしいです。(本戦は)ずっと厳しい戦いではあるんですが、自分の力を尽くせるように引き続き頑張りたいなと思ってます

-プロ編入試験受験資格について

里見 (直近10勝4敗)勝率を上げられたことに関しては、素直にうれしい気持ちがあります。それと(編入試験は)自分の中では別。いままであまり考えなかったので、考え直したいなとは思ってます

-勝ち星を重ね、強くなったなという実感は

里見 実感することはあまりないですけれども、棋聖戦は苦しい勝負もありました。そういった局面でもあきらめずに指せたことが自分の中でもよかったかなと思います。

-試験は今のところは考えてないとのこと

里見 あまり前向きではないんですけれど。編入試験を受けるということは、結構それなりに覚悟もいることですし、大きな決断になると思う。本当に、今のところあまり考えてはない状況です。ただ、現実に資格を得たということで、改めて考え直したいなっていう気持ちです。そこまでやる気ではないかもしれないですが(苦笑)

-試験について誰かに相談はする

里見 状況によると思うんですけど、まずは自分の中で考えて。周りの方の意見を求めることもあるかもしれないですが、まずは自分の気持ちが大事かなと思っています。

-本戦進出の要因として研究方法や取り組みを変えたとはあったか

里見 もともと女流棋戦は4時間という持ち時間が当初はなかったので、新しい棋戦もでき、タイトル戦でもありということで経験することもあった。体力面でスタミナが切れてしまうこともあった。将棋の体力面でなんとかしないと思っていた。順当に勝ち上がったとは言えないんですけど、目の前の対局に集中してたことがすごく良かったかなと思います。すごく強い先生方と指せる喜びがまた別の感情としてあり、それがすごく楽しいという気持ちに変わって、いい結果になったかなと思っています。

-編入試験には「そこまで前向きではないかも」とのこと。しかし、せっかくの大きなチャンス

里見 やっぱり自分の気持ちですかね。自分の中で試験を受けたいという気持ちが強く出てきたらっていう感じです。たくさん応援していただいて、その声が届いているんですけれども、自分の中でそういう強い気持ちが出てきたらということだと思います。