自民党が、今夏の参院選山形県選挙区(改選数1)に、元県議の大内理加氏(59)を擁立することが決まった。自民党山形県連の選対委員会などが29日、山形市内で行われ、全会一致で決定。これで、全45選挙区で自民党候補者が擁立されることとなった。

大内氏は記者会見を行い、「いろいろな要因があったかとは思いますが、きちんと選挙することが大切だと思いますので、独自候補は必要だと思っていました。ウィズコロナの経済対策が最優先事項だと思っています」。選挙まで短い期間となったが、「効率的にお伝え出来る手法を戦略的に行っていきたい。県連の皆様のお力もお借り出来るので、不安はありません」と意気込んだ。

自民党選対委員長で県連会長も務める衆院議員の遠藤利明氏も「ホッとした」と安堵(あんど)の表情。「地元を知っている人に参議院議員になっていただきたかったし、県知事選ではくまなく県内を回った大内さんが最適の人材だと思っていた」と歓迎した。明日30日にも党本部に書類等を提出し、正式に党公認候補者が決定する。

山形選挙区では国民民主党現職の舟山康江氏(56)が3選を目指しており、自民党本部は22年度予算案に賛成した国民に配慮し、独自候補の擁立を見送る方針を固めていたが、山形県連などから反発が相次いでいた。23日に遠藤選対委員長が山形に出向き、大内氏に立候補を要請していた。大内氏は県議を07年から4期途中まで務め、21年1月の県知事選に自民党推薦で立候補し、現職の吉村美栄子氏に敗れた。山形市出身で、現在は山形県紅花生産組合連合会会長などを務めている。

同選挙区ではほかに、共産党新人の石川渉氏(48)、NHK党新人の発酵料理研究家小泉明氏(51)が立候補を表明している。【鎌田直秀】