夏の参院選で東京選挙区(改選数6)に無所属で出馬予定の作家乙武洋匡氏が14日、東京都新宿区で、特注の選挙カーを初披露した。

乙武氏は「選挙カーが導入されるといよいよ選挙が始まるなと。気分が盛り上がってくる」と思いを口にした。選挙カーは選挙レンタカー店の「グリーンオート」(神奈川県小田原市)が乙武氏用に手掛けた。車いすのまま乗車できるように、後部座席を取り外し、乗車や降車に必要なスロープを置くスペースも確保した。担当者によると、選挙カーのバリアフリー使用の依頼は初めてだったという。乙武氏は「今後、車いすで政治家を目指そうという方にとって、大きな判断材料になると思う。良い実績を作れた」と話し、ガラス張りの車内から笑顔で手を振っていた。

車両の上には、乙武氏の姿が見えるように、約60センチ足元を高くした特設ステージが設置されていた。上に登るために使う車内のはしごをみて、乙武氏は「結構急ですよね、行けるのかな」と不安げな表情をみせたが、登り切った。「人生初のはしごを登り切った。達成感がすごい。(車両の上は)むちゃくちゃ高いです。昔タイでゾウの背中に乗って揺られたことを思い出します」と笑顔を見せた。街頭演説で、車両の上に登るタイミングについては「(はしごを使うのは)疲れがたまるので頻繁には登れない。天候の問題もあるし、大きいターミナル駅など“ここぞ”という時になってくる」と語った。

乙武氏は選挙カーを多様性という意味がある「ダイバーシティ号」と名付け「この車とともにメッセージをあちこちに届けに行く。“相棒”になっていくと思う」と話した。

東京選挙区には、乙武氏のほか、立憲民主党の蓮舫氏、公明党の竹谷とし子氏、共産党の山添拓氏、自民党の朝日健太郎氏の現職4氏に、元「おニャン子クラブ」のメンバーで自民党公認のタレント生稲晃子氏、ファーストの会代表の荒木千陽氏、日本維新の会の海老沢由紀氏、立民の松尾明弘氏のほか、れいわ新選組の山本太郎代表も出馬を表明している。参院選は6月22日公示、7月10日投開票の日程が有力となっている。