第26回参院選(7月10日投開票)は25日、初めての週末を迎えた。栃木選挙区(改選数1)では、07年に改選数1となって以降最多の6人が立候補。そのうち女性5人が立候補したのは過去最多となった。公示前に、日本維新の会の石井章参議院議員が「顔で選んでくれれば1番を取る」と立候補者の容姿を取り上げる発言で波紋を呼んだ栃木選挙区。立候補者は各地で35度を超えた猛暑日の中、それぞれの政策を訴え支持を呼びかけた。

自民党現職の上野通子氏(64)は、3期目の当選を目指す。文部科学大臣政務官や副大臣を歴任してきた上野氏は「未来を育てる。地域を守る」と子どもたちの教育分野に注力すると力説。応援に駆けつけた世耕弘成参院幹事長は「日本教育政策は上野通子なくして成り立たない」と話した。

立憲民主党新人で23年の税理士経験がある板倉京氏(55)は、消費税減税を訴え「税金は本来、たくさん稼いだ人がたくさん納めて、本当に困っている人のために使うもの」と強調。栃木選挙区について「経済や物価高対策を話しているのは私1人」といい、自民・上野氏について「追いつけ追い越せの精神で力の限りで戦い続ける」と述べた。

共産党新人の岡村恵子氏(68)は昨年の衆院選に続き2度目の国政への挑戦。ロシアのウクライナ侵攻が続く中、街頭演説では「国際的な平和の秩序を守る、国連憲章を守る一点で力を合わせてまいりましょう」と語った。

政治団体の参政党新人の大隈広郷氏(52)は「教育の根本を変えないと日本は変わらない」と述べた。1議席を争う戦いに陣営関係者は「どれだけ若い人や選挙に来ていない人を取り込めるか」といい、浮動票の獲得を目指す。

NHK党新人の高橋真佐子氏(57)は党所属の宇都宮市議からの打診を受け出馬を決めた。心理カウンセラーとして働いており「行政の対応で生活に苦しい人がたくさんいる。そういった人に未来が見えるようにしてあげたい」と訴えた。

日本維新の会新人の大久保裕美氏(45)は「大阪のように18歳以下の子どもたちの教育費無償化はできる。子どもたちのためになんとかしていきたい」と強調した。「顔で選べば…」と発言した石井氏については「コメントを控えます」とした。【沢田直人】