将棋の最年少5冠、藤井聡太王位(竜王・叡王・王将・棋聖=20)が豊島将之九段(32)の挑戦を受ける、「お~いお茶杯第63期王位戦7番勝負第3局」が20、21の両日、有馬温泉(神戸市北区)の老舗旅館「中の坊瑞苑(ずいえん)」で行われ、後手の藤井が勝ち、対戦成績を2勝1敗とした。19日に20歳になった藤井が20代初戦を白星で飾った。

「ひふみん」こと、加藤一二三・九段の「ひふみんアイ」をお届けします。

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藤井さんが17日に棋聖を防衛した時、「後手番となる王位戦第3局での、角換わり腰掛け銀への対応を見たい」とお話ししました。タイトル防衛を占う大きな対局だと思っていましたから。私が期待していた以上の、新機軸となる研究成果を目の当たりにしました。古典的な守備陣形ですが、自分の方から6筋で仕掛けた形はこれまでありません。快勝譜でした。

タイトル戦の連敗も、シリーズ途中での黒星先行もない。王位戦開幕局で同じ戦法を採用した豊島九段に完敗した藤井さんは、テーマを絞り込んだ研究の成果を見せてくれました。後手番で戦えることを証明したので、この棋譜は今後の研究対象となるでしょう。

今局の指し手を見る限り、まだ隠し持っている手段が3つ、4つある気がします。新手が出るのか、第4局以降が楽しみです。