安倍晋三元首相(67)が街頭演説中に銃撃されて死亡した事件は8日で発生から1カ月となった。事件が起きた奈良市の近鉄大和西大寺駅前には、朝から安倍氏の冥福(めいふく)を祈る人々の姿が見られた。

事件後に多くの人が並んだ献花台は先月撤去され、安倍氏が倒れた道路中央のガードレールなどには「お花やお供えなどは、故人へのお気持ち共にお持ち帰りください」の貼り紙が張られた。発生時間帯の午前11時半ごろには人だかりがやや増え、立ち止まって手を合わせる人の姿も見られた。

茨城県から京都へ出張途中に立ち寄った30代の男性会社員は「1カ月の節目に手を合わせたかった。こうやって現場を見ると、なぜ防ぐことができなかったかと。警備体制の不備だったと思う」と話した。

現場近くに住む看護師の50代女性は「現場を見るのもつらい。安倍さんがまだここにいる気がして…」と言葉を詰まらせた。