女性初の将棋棋士を目指す里見香奈女流5冠(30=清麗・女流王座・女流王位・女流王将・倉敷藤花)が挑むプロ棋士編入試験5番勝負(日本将棋連盟主催)の第1局が18日、大阪市の関西将棋会館で始まった。試験は新人棋士5人と対戦し、3勝すれば合格となり、史上初の女性の棋士が誕生することになる。初戦の相手となる徳田拳士四段(24)は今年4月にデビューし、通算12勝1敗。勝率9割2分3厘と勢いに乗る新人だ。

振り駒の結果、先手は徳田に決まった。午前10時、お互いに深々と一礼し、対局を始めた。先手の徳田は2六歩と飛車先の歩を突いた。里見は3四歩と角道を開けた。戦型は里見が得意の「ゴキゲン中飛車」に決まった。

将棋のプロは棋士と女流棋士がいて制度が異なり、棋士になるには養成機関の奨励会を卒業するか、編入試験合格が条件となっている。里見は5月27日の公式戦に勝利し、プロ棋士相手の直近公式戦成績を10勝4敗とし、プロ編入試験を受けるのに必要な「最近の公式戦で10勝以上、かつ勝率6割5分以上」の条件を満たし、女性で初めて受験資格を獲得した。

終盤の鋭さから「出雲のイナズマ」と呼ばれる里見。女流棋界の第一人者の歴史的な挑戦がスタートした。

持ち時間は各3時間。同日夕に決着する見込み。