将棋の最年少5冠、藤井聡太王位(竜王・叡王・王将・棋聖=20)が豊島将之九段(32)の挑戦を受ける、「お~いお茶杯第63期王位戦7番勝負第4局」が24、25日の両日、徳島市「渭水苑」で行われ、先手の藤井が95手で勝ち、対戦成績を3勝1敗とし、3連覇まであと1勝とした。第5局は9月5、6日に静岡県牧之原市「平田寺」で行われる。 「ひふみん」こと、加藤一二三・九段の「ひふみんアイ」をお届けします。

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豊島さんの封じ手が「敗着」です。プロなら誰も打ちません。それまで満点の手を指していたのですが、そこから2日目はいいところが見られませんでした。6筋に打った角のにらみを効かせて、1筋から攻めれば有望でした。

対する藤井王位は3筋からの攻めを逆用した後、派手な指し手で決めに行きました。普通なら手堅く指します。リスクが高かったにもかかわらず、どこで寄せの手順を読み切っていたのか? 興味があります。

これで昨年同様、開幕戦を豊島さんが制した後、藤井王位の3連勝ですか。昨年から藤井対豊島戦では、豊島さんがチャンスで一歩引いて、次のチャンスを待っているけれど、巡ってこないで負けるという傾向があります。かど番の豊島さんは、ひと工夫必要ですね。