将棋の最年少5冠、藤井聡太竜王(王位・叡王・王将・棋聖=20)が12日、名古屋市の名古屋将棋対局場で指された第81期順位戦A級3回戦で、糸谷哲郎八段(33)を113手で破り、今期成績2勝1敗とし、最年少名人獲得に前進した。糸谷は1勝2敗となり黒星が先行した。

戦型は「横歩取り」。後手の糸谷が誘導した。横歩取りは事前の研究が生きれば、後手が有利に戦えることもある。長い序盤戦に「1歩損の分、少し苦しいのかなと思っていたが、仕掛けることができたので難しくはなったかな」と振り返った。

一時、形勢が有利になったが「手が分からなかったですね」と話した。黒星先行となったが「厳しい戦いが続くけど、熱戦を指せるようにしたい」と気持ちを切り替えた。