将棋の永瀬拓矢王座(30)に豊島将之九段(32)が挑戦する、第70期王座戦5番勝負第2局が13日、名古屋市「名古屋マリオットアソシアホテル」で行われ、永瀬が千日手指し直しの激戦の末、105手で勝利した。4連覇を狙う永瀬がシリーズの対戦成績を1勝1敗のタイに戻した。第3局は27日、京都市「ウェスティン都ホテル京都」で行われる。

豊島の先手番で始まった第2局は互いの深い研究がぶつかり合い、終盤戦で同一局面が4回出現し、無勝負となった。同日夜から指し直し局が行われ、戦型は再び角換わりに。永瀬が中盤からリードを広げ、鮮やかに寄せきった。

終局後、永瀬は指し直し局について「後手3四角(48手目)と強い手で切り替えされてしまったので、こちらが自信のない展開にしてしまったのかなと思った」と振り返った。

後輩棋士を研究会で鍛える姿が、新兵を鍛える鬼軍曹の姿とダブって見えたことから「軍曹」の異名を持つ永瀬が待望の今シリーズ初白星を挙げた。