政府は4日、同日付で岸田文雄首相の長男翔太郎氏(31)を首相秘書官に起用する人事を発表した。翔太郎氏は2020年3月から岸田事務所で秘書を務めている。松野博一官房長官は会見で「本人の人格、識見を踏まえ、適材適所の考え方で判断した」と説明したが、突然の人事に波紋が広がっている。

立憲民主党の安住淳国対委員長は「どなたを秘書官にするのも、それは総理のご判断ですが、ご長男で身内を今、急に差し替えて秘書官にするのは、それなりの理由があってのことだとすれば、ちゃんと説明した方がいい」と指摘した。また「非常に重要なポストで大きな権限を持つ。そこに若いご子息を据えるというのが、岸田政権にとってなぜ必要だったのか。突然すぎて違和感を感じる」などと述べた。

国民民主党の玉木雄一郎代表は世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との複数の接点が相次いで判明している山際大志郎経済再生相に対する岸田首相の任命責任を引き合いに「そのタイミングで今度は身内を秘書官にする。優秀な人だとは思うが、感じが悪い」と批判し、「まさに身内びいきだ」とした。