岸田文雄首相の所信表明演説に対する各党の代表質問が5日、衆院でスタートした。

8月の内閣改造後、初の本格論戦で立憲民主党の泉健太代表は、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)を巡る自民党の関係や、安倍晋三元首相の国葬問題など追及したが「同じことを繰り返すだけ。議論にならない。ゼロ回答だった」と岸田首相の答弁を批判し、「江戸っ子風に言うと、からっきしだ(岸田)」と皮肉った。

泉氏の矛先は細田博之衆院議長にも向けられた。旧統一教会と複数の接点を認め、後方の細田氏を何度も振り返り、「4つの会合への出席、関連団体の名誉会長就任、選挙の支持を得ていた。もっと真相を語るべきです」と追及した。さらに「答弁いただけないようでしたら、しぐさでお答えください」と求めたことに与野党席からヤジが飛び交い、騒然となった。

教団との接点が相次いで判明している山際大志郎経済再生相について岸田首相は「引き続き、政治家として自らの責任において、ていねいに説明を尽くす必要がある」と野党側の更迭要求を否定した。山際氏も「そうした団体のイベントに出席することで、いわばお墨付きを与えてしまうようになったことを真摯に反省している」などと弁明したが、泉氏は「今まで仲良く友達だったのが、友達(旧統一教会)が問題行動を起こした途端に、一方的に関係を断っているように見せているだけで関係は続いている」と指摘した。

また岸田首相は4日付の人事で長男翔太郎氏を首相秘書官に起用したことについて、「個別の人事について詳細はお答えを差し控えますが政権発足から1年という節目をとらえ、適材適所の観点から総合的に判断した」と説明した。各党の代表質問は6日衆参両院で7日に参院で行われるが、支持率の下落が止まらない岸田政権への追及が続く。【大上悟】