ノーベル文学賞が6日、スウェーデンのストックホルムで発表され、フランス人の女性作家アニー・エルノー氏(82)が受賞した。受賞理由は「個人の記憶の根源、疎外、集団的拘束を明らかにした勇気と臨床的鋭敏さに対して」と説明がなされた。

エルノー氏は、自身の体験をもとに執筆した00年の「事件」が映画化された「Happening」(英題、オードレイ・ディバン監督)が、9月に世界3大映画祭の1つ、ベネチア映画祭で最高賞の金獅子賞を受賞。同作は「あのこと」の邦題で、日本では12月2日から公開される。

68年の川端康成、94年の大江健三郎(87)両氏に続く、日本人作家としては28年ぶり3人目の受賞が期待された、村上春樹氏(73)と多和田葉子(62)氏の受賞はならなかった。