藤井聡太竜王(20)が初防衛を目指して広瀬章人八段(35)の挑戦を受ける、将棋の第35期竜王戦7番勝負第1局が7日午前9時から東京都渋谷区「セルリアンタワー能楽堂」で始まった。先手後手を決める振り駒は、と金が3枚出て、挑戦者の広瀬が先手でスタートした。

両者のタイトル戦での対決は初。公式戦では藤井の5勝1敗で、約1年ぶりの対戦となる。

先手の広瀬は、4年ぶりの竜王復位を目指す。4年前、タイトル獲得通算100期を目指した羽生善治竜王(当時)を4勝3敗で下し、無冠に追い込んだ。藤井から挙げた唯一の白星は、19年11月の王将戦挑戦者決定リーグ戦最終局。4勝1敗同士の直接対決でもつれた終盤を制し、渡辺王将(当時)への挑戦権を獲得した。

6日、都内のホテルで行われた前夜祭では、「分析すればするほど分が悪い」と話していた。第1局については「藤井竜王の呼吸を感じながら、7番勝負をどう戦うか決めることができたら」とも語った。

後手の藤井は約1カ月前に王位戦を制し、タイトル戦負けなしの10連勝とした。今回、先に4勝して竜王を初防衛すれば、渡辺明現名人が2005年(平17)に21歳7カ月で達成した竜王初防衛最年少記録の更新も可能だ。「同じ持ち時間8時間の王位戦を振り返りながら準備した」と言う。

対局は2日制。持ち時間は各8時間。両日とも午前と午後のおやつが出るほか、午後0時30分から1時間の昼食休憩もある。初日は午後6時の時点で手番の対局者が封じ手を行い、8日の2日目に指し継がれる。