渡辺明棋王(38)への挑戦権を争う、将棋の第48期棋王戦コナミグループ杯挑戦者決定トーナメント(挑決T)準決勝、羽生善治九段(52)対伊藤匠五段(20)戦が5日、東京・千駄ケ谷「将棋会館」で行われ、後手の羽生が伊藤を下した。初顔合わせの一戦は相掛かりからの激しい攻め合いの末、羽生が抜け出した。初顔合わせを制し、もう一方の準決勝で藤井聡太竜王(20)を下した佐藤天彦九段(34)と、決勝で戦う。

「きわどいと思っていた。途中は負けかもしれないと感じていた」と言う。

棋王戦挑決Tのベスト4以上は、敗者復活戦のある「2敗失格」システム。伊藤はその1回戦で藤井とぶつかる。その勝者が、佐藤対羽生戦の敗者と挑戦者決定戦進出を競う。

挑戦者決定戦は変則2番勝負。佐藤対羽生の勝者は1勝すれば挑戦権獲得。敗者復活の勝ち上がり者は、2連勝が挑戦権獲得への条件となる。「内容のある将棋を指せるよう、しっかり準備して臨みたい」と羽生は語っていた。【赤塚辰浩】