羽生善治九段(52)と藤井聡太王将(竜王・王位・叡王・棋聖=20)とのタイトル戦が実現した。

将棋の第72期ALSOK杯王将戦挑戦者決定リーグ戦が22日、東京・千駄ケ谷「将棋会館」で行われた。7人総当たり戦で5戦全勝だった羽生は、4勝1敗で追う豊島将之九段(32)との直接対決を制した。6戦全勝として、藤井王将への挑戦権を獲得した。羽生の王将戦登場は、第65期以来7期ぶり19回目。タイトル戦登場は2年前の竜王戦以来となる。注目の7番勝負第1局は来年1月8日、静岡県掛川市で開幕する。

敗れた豊島は、「ひどい将棋でした。後手3五銀先手同飛(36~37手目)はほとんど投了級なんですけど」と苦笑いするしかなかった。

今期リーグは進行の都合上、5戦5勝で最終局を待っていた羽生に対し、2勝1敗の後、11月11日に服部慎一郎五段戦、同15日に渡辺明名人戦を迎えた。どちらかで負ければ、羽生がスンナリ挑戦権という状況だった。羽生にも連勝が挑戦への条件。「挑戦権はかなり厳しい状況で難しいと思っていました」。

前期は2勝4敗でリーグ陥落。今期は2次予選を勝ち抜いてリーグに復帰し、残留する。「昨年に比べて手応えはつかめました」と話していた。