W杯カタール大会には日本からサポーターも多数訪れている。日本代表が初出場した1998年フランス大会から7大会連続でW杯観戦をするベテラン日本人サポーターの目に、カタールはどう映っているのか。滞在中のサポーター関口真一さん(60=横浜市金沢区)に話を聞いた。W杯用に建設されたプレハブ造りのホテルに宿泊し、無料の公式バスは迷走し、昼と夜の気温差に驚いたという。連発するハプニングにも「それがW杯ですから」と観戦旅行を楽しんでいる。

関口さんは独自に宿泊施設と観戦チケットを予約。今月22日に日本を出発し、12月7日に帰国するまで10試合を友人の林和男さん(70)と観戦する。

関口さん「フランス大会からもう24年。直接観戦した日本代表の試合で勝利はこのドイツ戦が初めて。涙が止まりませんでした」。

宿泊地と試合チケットを取得すると、試合観戦のファンIDを登録する「ハヤカード」が発行される。これがバスや地下鉄などの公共交通の無料パスにも、観戦チケットにもなり、競技場にも入場できる。

関口さん「だから、競技場周辺にダフ屋がいなくなりましたね」。

四季のないカタールは過ごしやすいのか。

関口さん「気温は昼30度、夜は15度。夜間観戦は半そではキツい。ホテルは砂漠のど真ん中ですがコスタリカ戦の競技場とショッピングモール、地下鉄の駅から徒歩15分で想像よりも快適です」。

ホテルは林さんと2人で12泊。いったん、ホテルを離れて客船でのクルーズ旅行をして日本代表が進出する可能性の高くなった決勝トーナメント1回戦を見て帰る予定だ。

関口さん「1泊料金は1万3000円ぐらい。通常は8800円とのことなのでW杯価格なんでしょうね。チェックインのときに部屋のカギが開かなかったり、シャワー排水が室内に漏れたりしましたね」。

24日は韓国-ウルグアイ戦を観戦したが、バスに乗車したものの、運転手が競技場の場所を把握しておらず、同乗したウルグアイサポーターが携帯電話の地図アプリで説明するなど車内は騒然とした。

関口さん「結局競技場から約4・5キロ離れた場所で降ろされた。タクシーを手配して試合開始直後になんとか到着できた」。

悩みはホテル内では洗濯できないこと。

関口さん「でも、クリーニング店は探しました。不便も楽しい。難局をどう乗り越えるか、W杯の醍醐味ですね」。【寺沢卓】