上野愛咲美女流棋聖(女流立葵杯=21)への挑戦権を目指す、囲碁のドコモ杯第26期女流棋聖戦本戦トーナメント(本戦T)準決勝、仲邑菫三段(13)対向井千瑛六段(34)が1日、東京・市ケ谷「日本棋院東京本院」で打たれた。対局は黒番(先手)仲邑が中押し勝ち。この棋戦で初めて決勝進出を果たした。「序盤は苦しい展開でしたが、後半は打ちやすくなったと思いました」。

3年前のデビュー時から予選は突破して本戦入りを果たしているが、ベスト8が最高。今期は予選で桑原陽子六段に勝って本戦入りを決めると、本戦1回戦で佃亜紀子六段、同準々決勝では7月の扇興杯決勝で敗れた牛栄子扇興杯をそれぞれ下し、初の4強入りを果たしていた。「ここまで勝てると思わなくて、びっくりしています」。終局後の会見では笑顔を見せた。

これで44勝(22敗)と、昨年の自己最多勝(43勝18敗)を上回った。「43勝を超えるのは相当大変だと思っていたので、良かったです。できるだけ(勝数を)伸ばせるようにしたいです」と張り切る。

今年に入って仲邑は、女流名人戦で初めて女流タイトル戦への挑戦権を獲得した。扇興杯は準優勝、女流本因坊戦本戦Tはベスト4で上野に敗れたが、タイトル争いに確実に絡んでいる。

同日、同所で打たれたもう一方の準決勝では、藤沢里菜女流本因坊・女流名人が謝依旻七段を下した。挑戦者決定戦は来週8日に組まれている。4月の女流名人戦3番勝負の再現だ。「厳しい戦いになると思いますが、自分の力を出し切って全力で頑張りたいと思います」。

これに勝てば、女流棋聖戦初挑戦となる。「上野先生と番碁(タイトル戦3番勝負)を打ってみたいという気持ちは強いですね」と意欲をのぞかせていた。