将棋の最年少5冠、藤井聡太竜王(王位・叡王・王将・棋聖=20)が広瀬章人八段(35)の挑戦を受ける、第35期竜王戦7番勝負第6局が2日、鹿児島県指宿市「指宿白水館」で始まった。シリーズ対戦成績は藤井の3勝2敗。王手をかける藤井が初防衛を果たすか、かど番の広瀬がフルセットに持ち込むか。注目の一番を迎えた。

午前9時、立会人の藤井猛九段(52)が定刻になったことを告げると、お互いに深々と一礼し、対局を始めた。先手の藤井はいつものようにお茶を一口飲み、2度、3度と軽くうなずいてから、飛車先の歩を突いた。広瀬は一呼吸置き、飛車先の歩を突き返した。戦型は角換わりとなった。

第1局は先手の広瀬が緩急自在の指し回しで快勝した。1勝1敗で迎えた第3局は、広瀬が終盤まで優位に進めたが、藤井が一瞬のスキを突き、逆転勝ちした。第4局は藤井が完勝した。第5局は広瀬が研究手をぶつけ、終盤に抜け出した。

2人のタイトル戦での対決は初めて。両者の過去の対戦戦績は藤井の9勝3敗。

対局は持ち時間は各8時間の2日制。1日目は夕方に封じ手をする。2日目は3日午前9時に再開する。