秋葉賢也復興相は12月2日の閣議後会見で、政治資金や昨年の衆院選の「次男影武者疑惑」など選挙活動をめぐる問題、旧統一教会関連団体の会合への出席疑惑など、自身が説明を求められている6つのテーマについて個別に言及した。あらためて疑惑や問題はないと否定したが、従来の説明を繰り返すにとどまった。

記者から、この日の会見であらためて1つ1つ説明した意図を問う質問が出たが、秋葉氏は「国会でも丁寧に説明したつもりだが、一部には納得できないという声もある。国会の場ではないが、会見の場でも説明したほうがいいのではないかという判断から、予算も上がった(可決された)タイミングもあって質問に答えているところだ」と説明。「手元に残っていた資料で提出すべきものはすべて提出し、事実関係を確認しながら説明を尽くしてきた」「これまでクリーンな選挙をしてきたという信念に誤りはない。丁寧に事実関係を説明することで払拭(ふっしょく)できると考えている」と、主張した。

秋葉氏は、2022年度第2次補正予算案審議が行われた衆参両院の予算委員会の場で立憲民主党から徹底追及を受けたが、補正予算は2日、参院本会議で与党などの賛成で可決され、成立。今国会の会期は12月10日までのため、会期延長がなければ疑惑追及の機会は激減し、「幕引き」となることへの警戒感も、立民内にはある。

秋葉氏は、10月下旬から11月下旬にかけて辞任した山際大志郎前経済再生相、葉梨康弘前法相、寺田稔前総務相に続き、4人目の「辞任ドミノ」になる可能性が指摘され、岸田政権にとっての「火種」となっている。秋葉氏本人の説明ですべての疑惑が晴れたとは言えず、今後も説明を求められることになりそうだ。【中山知子】