渡辺明棋王(38)への挑戦権を争う、将棋の第48期棋王戦コナミグループ杯挑戦者決定トーナメント(挑決T)敗者復活戦2回戦、藤井聡太竜王(20)対羽生善治九段(52)戦が8日午前10時から東京・千駄ケ谷「将棋会館」で始まった。先手後手を決める振り駒の結果、と金が4枚出て、羽生が先手、藤井は後手。お互いに飛車先の歩を突いてスタートした。両者の対決は過去7回あって、藤井の6勝1敗。

羽生は、先月22日に行われた王将戦挑決リーグ最終戦で豊島将之九段(32)を下し、6戦全勝で挑戦権を獲得した。現在タイトル獲得通算99期。100期獲得を目指す王将は藤井が保持している。くしくも、来年1月からの7番勝負の前哨戦とも言うべき対局となった。同時に棋王戦は第40期以来、8期ぶりの登場を目指す。

棋王戦で初めて4強入りした藤井は、佐藤天彦九段(34)に準決勝で敗れた。挑決Tベスト4以上は2敗で失格という独自のシステムで敗者復活戦に回り、同じく準決勝で羽生に敗れた伊藤匠五段(20)と1回戦で対戦。これを下した。決勝で佐藤天に敗れた羽生の今局は、「敗者組」の挑戦者決定戦進出者を決める大事な一戦となる。

この勝者は、挑決T優勝者として待ち構える佐藤天との変則2番勝負で挑戦権を競う。佐藤は1勝すればスンナリ決定。こちらは2連勝が条件となる。藤井にとっては年度内6冠への望みをつなぐために、負けられない。

持ち時間は各4時間。昼食休憩を経て、8日夜には決着の見込み。