将棋の指し初め式が大阪市福島区の関西将棋会館で行われ、谷川浩司17世名人(60)らが出席した。

将棋界は、今年も藤井聡太竜王(王位・叡王・王将・棋聖=20)が中心となりそうだが、谷川は藤井よりも一世代上の関西トップ棋士たちに猛ゲキを飛ばした。

18年2月、藤井が第11回朝日杯将棋オープン戦で、15歳6カ月でプロ入り後初の優勝を手にしたとき、谷川は「名人と竜王を破っての優勝は見事ですが、ただし20代・30代の棋士に対しては『君たち、悔しくないのか』と言いたい気持ちもあります」と奮起を促した。

「悔しくないのか」発言から約4年10カ月。藤井は5冠を堅持して22年を終えた。前人未到の全8冠まで、残るタイトルは、名人と棋王、王座の3つだ。

指し初め式後、谷川は日本将棋連盟を通じて「今年は日本全体がコロナ禍から日常を取り戻す1年になると思います。将棋連盟は来年創立100周年を迎えますが、それにあたりプレイベント等も増やしていければと考えています」とコメント。

藤井と同じく14歳の中学生でデビューし、21歳2カ月で最年少名人の座を手に入れた谷川は、藤井時代の到来に「将棋界は藤井竜王の活躍で盛り上がっていますが、一世代上の関西のトップ棋士にはより一層の奮起を期待したいです」とコメントし、鼓舞した。