お寺でパラ競技の国際大会が行われる! 日本パラ・パワーリフティング連盟は28日、東京・築地本願寺第2伝道会館で「全日本パラ・パワーリフティング選手権大会」の会場設営などを行った。大会は29日に開催する。

下肢障がい者によるベンチプレスの体重別競技で、男女各10階級の計20階級で日本チャンピオンが決定する。今年で23年連続で継続されており、コロナ禍も無観客で実施されてきた。海外からも有力選手を招待。インド選手はコロナウイルスに感染し、韓国選手は直前で来日ができなくなったが、今回は台湾とラオスからそれぞれ2選手の4選手を含めた37人で競う。

連盟の吉田進事業委員長は「バリアフリーの整った都心の観光要所でもある築地本願寺での実施が実現しました。どうやって競技を認知してもらうか。動画での生配信も行って競技のファンを増やしていきたい」と話した。

築地本願寺でスポーツの国際大会を誘致するのは初の試み。阿弥陀(あみだ)如来の本尊の真横に競技スペースを設置した。東森尚人副宗務長は「阿弥陀如来さまは、わけへだてなくすべての方をすくって救ってくださる。ご本尊の横での競技もいいんじゃないでしょうか。スペースを問わないのであれば、今後もいろいろな競技に利用していただきたい」と話した。

競技は29日が本番で、28日は会場設営と選手の検量が実施された。今回の出場選手で、12年ロンドン9位、16年リオ5位、21年東京9位の成績を残した男子49キロ級三浦浩さん(58)が近隣在住の小学生4人に競技の説明を含めて競技会場を案内した。

4大会連続となる24年パリ出場を目標とする三浦さんは「築地本願寺は会場としてコンパクトにまとまっていて素晴らしい。小学生には実際にベンチプレスで軽いバーだけを持ち上げてもらったりした。今後は競技を見せるだけではなく、一般のみなさんに体験を通して競技への興味を持っていただきたい。今回はその足掛かりになる」と手応えをつかんでいた。【寺沢卓】