岸田文雄首相は30日の衆院予算委員会で、首相就任後も岸田派会長として派閥にとどまっていることを菅義偉前首相から批判された問題について、どう考えるかを問われた。

首相は「派閥のありようや性格は時代とともに変化しているが、その中にあっても国民から疑念や批判を浴びるようなことがあってはならない」と述べた。その上で「疑念や批判がないよう、派閥との関係についても適切に対応しなくてはならない」とも話した。派閥を離脱するかどうかについては、言及しなかった。

自民党の牧原秀樹衆院議員の質問に答えた。

牧原氏は、現在自民党や政権に寄せられる国民の厳しい声が、実感として、自民党が政権を失った2009年を思い出すほどだと指摘。自民党が野党転落後に総裁を務めた谷垣禎一氏が「一部の人間が利益を分配して内輪の権力闘争に明け暮れる。そんな自民党とはきっぱり決別します。国民から遠いところで政治が行われる自民党であってはならない」などと演説したことも引き合いにしながら、派閥問題に対する首相の認識を問うた。

首相は「内輪の権力闘争に明け暮れる自民党とは決別する、国民から遠いところで政治が行われることはあってはならないという言葉は、自民党にとって最も大きな原則。あらためてかみしめなければならない」とした上で「自民党内部で権力闘争をしている余裕はないほど、日本を取り巻く状況は緊迫度を高めている」とも指摘した。