囲碁の世界最年少プロで、大阪の小学3年生の藤田怜央初段(9)が31日、大阪市の関西棋院で打たれた第49期名人戦予選Cで牛窪義高九段(75)を破り、史上最年少の9歳9カ月で公式戦初勝利を挙げた。仲邑菫三段(13)の持つ10歳4カ月の最年少記録を更新した。

持ち時間は各3時間。年齢差は66歳。藤田は序盤から積極的に陣地を取りにいき、優勢を築いた。終盤に入っても持ち前の積極的な攻めを続け、最年少白星をもぎとった。大ベテラン相手に堂々と戦い抜いた。

公式戦4戦目でのプロ初勝利に、藤田は小さな声で「うれしい」と話し、「難しい碁だった」と振り返った。

関西棋院の棋士会長を務める牛窪は「正確に手が読め、よく研究している。自信を持って打っている。たいしたもんだ」と絶賛し、「私の子どものころに比べたら信じられない強さ」と舌を巻いた。