東武鉄道では、沿線の酒蔵を巡るイベント「#ふらっと呑み(のみ)鉄 東武沿線酒蔵巡り」を4日から始める。同社125年の歴史で初の企画だ。そのキックオフイベントが3日、同社の東京・北千住駅構内で開催された。福島県南会津町にある会津酒造、花泉酒造など4つの酒蔵から、「会津」「花泉」「春一番」など8つの銘柄が無料で振る舞われ、乗り換え客が足を止めて試飲した。

兵庫・灘、京都・伏見ほど全国的に有名ではないにしろ、東日本では新潟、秋田、山形の各県と並んで、福島では会津が知る人ぞ知る酒どころ。東武鉄道では、「沿線で価値のある物をより向上させよう」との狙いから、日本酒のブランド力に注目した。

これまで沿線の中で最も観光資源が多い日光・鬼怒川地区への観光客の誘致、2017年(平29)に導入した特急「リバティ」、SL大樹をはじめ、復刻版の「スペーシア」「りょうもう」など、看板車両の利用促進を図ってきた。今年7月には、新たな特急「スペーシアX」も投入する。今回はターゲットを絞り、一歩踏み込んだ「コト消費」で沿線のイメージをアップさせる。

今回は手始めに会津鉄道の会津田島駅周辺と、東武日光・鬼怒川線の下今市駅(栃木)の周辺の酒蔵、酒屋が対象となる。同社では今後、このイベントの対象地域を広げ、新たな魅力の発見と地域の活性化を目指したいとしている。

試飲会は、4日も東武鉄道北千住駅構内で開催される。