仲邑菫三段が、囲碁界史上最年少の13歳11カ月での初タイトルを獲得した。6日、東京・市ケ谷「日本棋院東京本院」で打たれた第26期ドコモ杯女流棋聖戦挑戦手合3番勝負第3局で、上野愛咲美女流棋聖(21)に250手までで白番中押し勝ち。シリーズ2勝1敗として、初の中学生タイトル保持者となった。

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仲邑の史上最年少での初タイトルに、日本棋院の小林覚理事長(63)は、「私たちの新たな推薦制度が間違いではなかった」と話した。女流囲碁界は現在、藤沢里菜女流本因坊・女流名人と上野の2強。「近い将来、菫さんが並ぶだろう。彼女は毎年ステップアップしているし、楽しみ。男性とタイトル争いをして獲得できるとみていいのではないか」とも語った。

国民栄誉賞棋士の井山裕太本因坊(王座・碁聖=33)は、「大変な快挙。成長が目覚ましいので驚きはしないが、実際に結果を残すのは素晴らしい。今回のタイトル獲得で改めて菫さんの力を証明したと言える。将来的には7大タイトル(棋聖・名人・本因坊・王座・天元・碁聖・十段)戦などでもトップ争いが期待できると思うし、その時に自分が受けて立てる立場でいたい。そういうモチベーションにもなる存在です」とコメントした。

2年前の東京移籍後、一緒に研究会を行っている藤沢女流2冠も、「13歳でのタイトル獲得は本当にすごいこと。ただ、菫さんの実力からしたら、不思議はない。普段からすさまじい努力を感じています。これからも切磋琢磨(せっさたくま)していきたい」と、年下のライバルにエールを送っていた。