参議院は昨年7月の初当選から1度も国会に登院していないNHK党のガーシー(東谷義和氏)参院議員が8日の本会議を欠席すれば、懲罰委員会(鈴木宗男委員長)に付託し、処分の検討に入る。7日、参院議院運営委員会の理事会で8日午前10時から本会議を開会することを決定した。本会議は約1時間で終了することが見込まれ、ガーシー氏が登院しない場合は尾辻秀久参院議長が懲罰委員会に付すことになる。NHK党の立花孝志党首は「ガーシーは8日の本会議には出席しない。懲罰委員会への流れは想定通りだ」と明言した。

尾辻氏は1月30日、ガーシー氏に対して国会法に基づき、国会出席を促す「招状」を1949年以来、74年ぶりに発出した。国会法第124条は議員が正当な理由なく、召集日から7日以内に召集に応じない場合は議長が招状を発し、招状を受け取った日から7日以内に出席しない場合は懲罰委員会に付すとしている。

5日が招状発出から7日目となり、6日以降に開会される最初の本会議や委員会に欠席した場合が該当する。理事会では自民党からガーシー氏が本会議を欠席した場合には理事会を開会し、「速やかに理事会の総意を持って懲罰委員会への付託を議長に申し入れたい」とする意見が出た。国会議員が国会欠席を理由に懲罰委員会に付された前例はない。

ガーシー氏は当選前からアラブ首長国連邦(UAE)のドバイに滞在し、昨年は2度の臨時国会、今年は1月召集の今通常国会も欠席を続けている。ガーシー氏は3月上旬に帰国して国会登院を表明しているが、帰国前に懲罰が下される可能性が出てきた。懲罰は重い順に除名、登院停止、議場での陳謝、戒告がある。

またNHK党から提出されているガーシー氏への懲罰に関する質問主意書について立憲民主党の森本真治理事は「議長が招状を発出している状況。本来、会期中に国会に出席をしなければいけないという義務を果たしていない中での質問権を認めるかどうか、慎重な意見が多く、結論が出なかった。もう1度、議論する」とした。立花氏は「党からの質問主意書を前例がないとして、受付ないのはおかしい」などと批判した。