藤井聡太王将(竜王・王位・叡王・棋聖=20)が初防衛を目指して国民栄誉賞棋士・羽生善治九段(52)の挑戦を受ける、将棋の第72期ALSOK杯王将戦7番勝負第4局が9日午前9時、東京都立川市「SORANO HOTEL」で始まった。先手後手は事前に決まっており、先手羽生は飛車先の歩を突いた。後手藤井はいつものようにマスクの右ヒモを外してお茶を口に含むと、こちらも飛車先の歩を突いて、スタートした。

開幕局からお互いに先手番をキープして、第3局を終えて藤井の2勝1敗。過去の対戦成績も藤井が9勝2敗とリードしている。ただし、今シリーズでは第1局が後手一手損角換わり、第2局が相掛かり、第3局が雁木(がんぎ)と、いずれも羽生が趣向を凝らした戦い方を披露している。第4局はどんな戦法を採用して、2勝2敗のタイに追いつくのか注目される。

対する藤井は昨年この地で第4局を制した。シリーズ4連勝で渡辺明王将(当時)からタイトルを奪取して王将を初めて獲得するとともに、19歳6カ月の史上最年少で5冠となった。相性のいい場所で今年も勝って、初防衛まであと1勝としたい。

持ち時間は各8時間の2日制。両日とも午前10時30分と午後3時におやつが出され、午後0時30分から1時間の昼食休憩がある。初日は午後6時の時点で手番を持っている側が「封じ手」を行い、終了。2日目に指し継がれる。