統一地方選のスタートとなる9道府県知事選が23日、告示された。大阪府知事選には再選を目指す政治団体・大阪維新の会の現職吉村洋文氏(47)が立候補し、大阪・なんばで第一声。「過去の大阪の二重行政に戻してはいけない。維新は市と府の接着剤となり、府市一体になって大阪を成長させていく」と大阪市長選との「ダブル選」の必勝を誓った。

大阪ダブル選では、カジノを中心とした統合型リゾート施設(IR)の大阪誘致の是非が争点となるが、吉村氏は「大阪の成長のためにはIRは必要だ」と訴えた。

4年前の前回選と違い、反維新勢力は分散。政治団体「アップデートおおさか」が支援する無所属新人の法学者谷口真由美氏(48)はJR大阪駅近くで第一声。ヒョウ柄のコート、スニーカーにもヒョウ柄が入る“大阪のおばちゃん仕様”でマイクを握った谷口氏は「(生活の)しんどさは自己責任という政治はもう嫌やねん」と批判し、IR誘致について「検証して問い直そう」と訴えた。

IR候補地となっている夢洲(ゆめしま)(大阪市此花区)などの埋め立て地では、液状化や土壌汚染などの対策費の負担が懸念されているが、府と市、MGM側が昨年2月に結んだ基本協定書について、谷口氏は「法学者の端くれとして基本協定書を読みました。地盤沈下の対策費、その他の対策費で大阪が負担しないとは書いていない。何かあったときには大阪が負担すると書いてある。法律を扱う人間がそんなふうに読めないなら、よほどの悪徳弁護士か、どうしようもない法学者です」と弁護士でもある吉村氏をチクリ。

共産党が推薦する無所属新人の元参院議員辰巳孝太郎氏(46)はJR天王寺駅周辺で「カジノを造らないことが一番のギャンブル依存症対策だ」と訴えた。

府知事選には、他に参政党新人の歯科医吉野敏明氏(55)、諸派新人の執筆業稲垣秀哉氏(53)、政治家女子48党新人の薬剤師佐藤さやか氏(34)が届け出た。