印象戦略研究の専門家、乳原(うはら)佳代さんは企業発信の陽気なウソコメントについて「いろいろなタイミングが今年の4月1日に合致したんだと思います」と述べた。

コロナ脱却の第1歩となるマスク着用義務が3月13日に解除されたことも一因としてあるという。「各企業ともこの3年間は我慢の連続。イベントや集客だけではなく、冗談を言うだけでSNSが炎上するのではないかということばかり気にしていた」と話した。

大絶賛だったのはグリコ「プッチンプリン」。カラメル好きに新開発した「プリンとカラメルの比率を逆」という発想に「単純に面白い。でも全体的に誰も傷つかないセンスのあるジョークやエスプリの効いた内容が多かった」と笑った。

一時期流行した迷惑動画が「不快になるだけで何も面白くなかった。今回は企業間のコラボも多数あるのも特徴ですね」と語り、WBCで侍ジャパンが優勝したことで「珍しく感情むき出しにした大谷さんやペッパーミルパフォーマンスは何かが変わる予兆だったのかな。1年を振り返る重大ニュースがハッピーな出来事でいっぱいになったらうれしい」と締めくくった。(神戸情報大学院大学客員准教授)