藤井聡太叡王(竜王・王位・棋王・王将・棋聖=20)に菅井竜也八段が挑戦している、将棋の第8期叡王戦5番勝負第4局が28日、岩手県宮古市の「浄土ケ浜パークホテル」で行われた。午前9時から菅井の先手で始まった対局は、午前10時51分に44手で千日手が成立した。

午前11時30分から先手後手を入れ替えた指し直し局も、終盤にさしかかった午後6時32分に116手で再度千日手となった。

関係者で協議の結果、午後7時15分から再度先手後手を入れ替え、再指し直し局は始まった。先手の菅井はやはり角道を開け、後手藤井は飛車先を突いた。菅井は今回6回連続で三間飛車を採用し、命運を託した。

藤井がタイトル戦で2度千日手指し直しを行うのは、昨年6月の第93期ヒューリック杯棋聖戦5番勝負第1局の永瀬拓矢王座(30)戦以来、2回目。この時は敗れた。叡王戦では昨年5月の第7期叡王戦5番勝負第2局、出口若武六段(28)戦で指し直しの末、勝っている。

再指し直しの持ち時間は藤井が1時間、菅井は1時間6分。

千日手とは、同じ局面が4回出現すること。その勝負はなかったこととなり、先手後手を入れ替えて初手から再度指し、決着をつける。