加藤勝信厚労相は31日、参院厚労特別委員会でマイナンバー保険証について他人の医療情報がひも付いたり、有効であるにもかかわらず無効とされるなどのトラブルが相次いでいる事態を野党から追及され、「国民のみなさんにご心配をかけている。大変、申し訳なく思っている」などと陳謝した。

立憲民主党の石橋通宏氏から29日公表の全国保険医団体連合会(保団連)のデータを引用し、「初診の方で(保険証の)資格が確認できず、窓口で10割負担を強いられた。しかもそれが4月以降、1429件も発生している」と原因究明を求められた。

加藤氏は「転職等によって資格変更があった場合に資格情報を登録するにあたり、タイムラグがどうしても出て来るため、無効のエラーが表示されることもある」などとしたが、実際には転職などの資格変更がないケースもあり、医療関係者からは窓口負担の差額分返却などの対応について「現場に丸投げされている」など反発の声が出ている。【大上悟】