警視庁が芸能人や著名人らに対する暴力行為法違反(常習的脅迫)などの疑いで逮捕した前参院議員のガーシー(本名・東谷義和)容疑者(51)について、ガーシー容疑者が所属した政治家女子48党(旧NHK党)の立花孝志氏が4日、東京・千代田区の参院議員宿舎で緊急会見を行った。

立花氏は成田空港に到着して逮捕されるまで機内のガーシー容疑者とSNSのLINE(ライン)でメールを交換し、「飛行機の中で1人だ」などと返信があったとし、スマホのライン画像を報道陣に公開した。立花氏が「これから記者会見するけど、ガーシーが国民に伝えたいことが、あれば伝える」とすると、「いきなり過ぎて何も思いつきませんわ」との返信があったといい、「ガーシーが1人で搭乗し、警察官は同行していないようだ」と語っていた。

突然の帰国、逮捕劇について立花氏は「いろいろな情報が入ってきている。ドバイ方で相当、圧力がかかっていると聞いている。強制的ではなくて、自主的に帰国している。ドバイの警察に勾留されるよりも日本の方がいいと判断したのかも知れない」と推察する。しかし、捜査関係者によると、帰国の経緯については「自主的な帰国ではない」と明言しており、ドバイ方から国外退去を命じられた可能性もある。

今後は除名処分で議席を失ったガーシー容疑者は党員ではなくなったが「ガーシーの司法での戦いを政治家女子48党として全力で応援、サポートしていく」として、弁護団の弁護士費用などを党が負担するとした。

ガーシー容疑者が今後、刑法の実刑判決を受けるなど公民権停止とならない場合に、立花氏は「次期衆院選、2年後の参院選において、本人の意向を確認しながら再度、国会議員に挑戦してもらいたい」と、国会議員復活というシナリオをぶち上げた。【大上悟】

◆ガーシー(本名・東谷義和=ひがしたに・よしかず)1971年(昭46)10月6日、兵庫県伊丹市生まれ。都内でバーを経営、芸能事務所を設立、アパレルブランド設立など、さまざまな事業を手がけ、多くの芸能人と親交を深める。21年には知人とのトラブルがきっかけで日本を離れUAEへ。その後、暴露系YouTuberとなり、自身の素性を公表して活動を開始する。22年に著書「死なばもろとも」を出版している。

<ガーシー容疑者を巡る経緯>

▼22年7月10日 参院選比例代表で旧NHK党から初当選

▼同8月3日 海外に滞在しているのを理由に臨時国会を欠席

▼同12月24日 動画投稿サイトで、著名人を脅迫するなどした疑いがあるとして、警視庁がガーシー容疑者に事情聴取を要請

▼23年1月11日 警視庁がガーシー容疑者の関係先を家宅捜索

▼同1月23日 通常国会を欠席。参院が帰国と登院を要求

▼同1月30日 尾辻秀久参院議長が国会法に基づきガーシー容疑者の出席を促す文書「招状」を発出

▼同2月22日 「陳謝」の処罰処分を参院本会議で決定

▼同3月6日 大地震に見舞われたトルコに入り被災地支援する様子をインスタ投稿

▼同3月8日 陳謝が求められていた参院本会議を欠席

▼同3月15日 参院本会議で除名。議員資格失う

▼同3月16日 警視庁が暴力行為法違反容疑などで逮捕状を請求

▼同4月12日 ガーシー容疑者が「旅券返納を行った」とインスタライブ

▼同4月13日 ICPOが12日付でガーシー容疑者を国際手配