21日に放送されたテレビ朝日系「羽鳥慎一モーニングショー」で、自民党5派閥の政治団体が、2021年までの4年間に行った政治資金パーティーの収入をめぐり、政治資金収支報告書に計約4000万円分を記載していなかったとして告発され、担当者が東京地検特捜部に任意聴取を受けている問題が取り上げられた。
この問題は、自民党全体の「政治とカネ」の一大スキャンダルに発展する可能性が指摘されている中、番組内で解説した政治ジャーナリストの田崎史郎氏は「派閥におけるカネの処置に初めて、光が当たった。これから大きな問題になっていくと思う」と指摘した。
田崎氏は、昨年、衆院議員だった薗浦健太郎氏(自民党を離党、議員辞職)が政治資金パーティーでの収入約4900万円分の過小記載で、政治資金規正法違反(虚偽記載など)の罪で略式起訴されたケースを引き合いに「今後の問題が大きくなればなるほど、この(薗浦氏の)ケースは注目される」と指摘。報告書への過小記載について「贈収賄事件でも選挙違反でもなく比較的軽いとみられているが、違反したら罰金刑で公民権停止になる。議員にとって、選挙に出られなくなるのは死刑宣告みたいなものだ」と指摘。薗浦氏も公民権停止など、政治家にとって厳しい対応を受けていることに言及した。
また、パーティー券のノルマを課せられた際、ノルマ以上に売れた分の資金を報告書に記載しない場合は「『裏金』づくりではないかとみなされる」と述べ、閣僚経験者など当選回数の多い議員ほど課されるノルマが増えるとも指摘。今後、名の知れた「大物」議員に捜査が及ぶ可能性にも言及しながら「今、特捜部は証拠固めをしている。固めた上で、12月13日に臨時国会が終わった後、国会議員に捜査が及ぶのではないかというふうに、自民党の人は戦々恐々としている」「(特捜部は)派閥のおカネの流れ、実態に堂々と踏み込める。カネの流れは政治家の力の証明でもある」とも明かした。
公になっていない金額が、新たに公になる可能性にも触れ「金額も(4000万円から)増える可能性もある」と指摘。「4年間やっていたとしたら(これまでも)毎年、同じことをやっていたのではないか、そもそも裏金をつくるつもりでやっていたのではないのかと(捜査する側に)みられる。常習性や悪質性が問われると思う」と、捜査の進展の行方を分析した。