日大アメリカンフットボール部をめぐる違法薬物事件で、覚醒剤を麻薬と誤認し所持したとして麻薬取締法違反(所持)の罪に問われた北畠成文被告(21)の初公判が1日、東京地裁(池田知史裁判官)で開かれた。

北畠被告は起訴内容を「間違いないです」と認め「多くの日大OBやチームメート、家族に迷惑をかけ申し訳ない」と謝罪した。一方、被告人質問では、沢田康弘副学長の「もみ消し」への期待など、当時の生々しい思いを語った。

北畠被告は、7月にアメフト部寮で行われた持ち物検査で、植物片が入った缶を沢田氏が回収した当時を振り返り、部の監督やコーチから「沢田さんに見つかって良かった」と言われたと証言。理由を「(沢田氏が)もみ消すんだと思って、少し安心した。見つからないものだと安心した。(元検事の)沢田さんの経歴は知っていた。もみ消すくらい力があると思った」と話した。この時、沢田氏が警視庁に報告したのは12日後。「隠蔽(いんぺい)」ではないかと指摘が出た。

北畠被告は大学入学前の高3の3月に友人の勧めで大麻の使用を始め、SNSなどを通じ入手したと証言。薬物を使っていた部員は「10人程度」と明かし、今年は週2回から月1回、昨年は大麻リキッドを週4回、乾燥大麻を週1、2回使ったと、まん延の側面にも触れた。監督やコーチの見回り時に吸っていたこともあるが「気付いていたかは分からない」と述べた。

北畠被告はスーツにネクタイ、マスク姿。「当然、つかまると思っていた」として大麻使用を監督に告白したが、逮捕されるまで、大学側から自首を勧められることは「なかった」という。弁護側は「大学側は彼から自首の機会を奪った。管理に問題があった」などと述べ、執行猶予付きの判決を求めた。検察側は依存性が顕著だとして、懲役1年6月を求刑。判決は来年1月9日。【中山知子】