藤井聡太名人(竜王・王位・叡王・王座・棋王・王将・棋聖=21)が29日、将棋の第82期A級順位戦最終9回戦一斉対局(静岡市「浮月楼」)の大盤解説会に登場した。対局場とは別の静岡市内の解説会場で、午後3時から最初の出番が回ってきた。藤井と同じ愛知県出身の聞き手、脇田菜々子女流初段(26)に進行で、菅井竜也八段(31)対豊島将之九段(33)の解説から始まった。

A級ただ1人の振り飛車党の菅井は、先手で中飛車を採用した。「本命と言える選択だと思います」と切り出した。菅井の工夫には、「『歩越しの銀に歩で対抗』で振り飛車らしく、さばいて行こうという狙いがあります。実は、前期のA級で指されて負けました」と自らの苦い経験を語り、周囲を笑わせた。そのうえで「優秀な指し手だと思います」とした。対する豊島の指し手には、「急戦を目指した自然な仕掛け」と構想を褒めた。

局面については、「本格的な戦いが始まってきたところ。ここから数手が大事になるという状況だと思います」と分析していた。

藤井はデビュー1年目の2017年(平29)、名古屋市で行われたA級順位戦の解説会に出たことがあるという。また、21年暮れに都内で行われた初の東西対抗団体戦「SUNTORY 将棋オールスター 東西対抗戦2021」(準公式戦)では、羽生善治九段(53)とのダブル解説も行った。NHK杯トーナメントでは今年1月28日放送の3回戦、佐々木勇気八段対古森悠太五段戦で初めて登板した。