藤井聡太名人(竜王・王位・叡王・王座・棋王・王将・棋聖=21)が29日、将棋の第82期A級順位戦最終9回戦一斉対局(静岡市「浮月楼」)の大盤解説会に登場した。

対局場とは別の静岡市内の解説会場で、午後3時、午後5時に次いで、午後9時から三たび出番が回ってきた。午後3時の回で、藤井と同じ愛知県出身の聞き手、脇田菜々子女流初段(26)と再度組んだ。前回、脇田から振られていた昔話について、今回の解説終了寸前に尋ねられた。

「研修会で一緒だったころに棒銀を愛用されていましたが、いつ卒業されたんですか?」

これに対し、「アマチュアのころ、棒銀はよく指していました」と答えた。「当時の自分は序盤がヘタで、棒銀にして早く終盤にしてしまおうという棋風だったと思います」と、意外な一面を披露した。振り飛車が相手でも、構わず棒銀にしていたという。

ターニングポイントとして、「奨励会に入ってから変わったんだと思います」とした。「棒銀だと狙いが分かりやすく、相手に見破られるし、うまく対応されてしまう。持久戦とか、違う指し方もえらぶようになった気がします。当時の記憶が残念ながらあまりないので、そういうことにしたいと思います」と、うまく締めた。

この回で最後の出番となった藤井は、「(対局は)これからがおそらく今日で1番面白い時間だと思いますので、お楽しみいただければと思います」と話していた。