加藤鮎子こども政策担当相は5日の参院予算委員会で、政府が少子化対策に向けた財源確保の一環で、公的医療保険料に1人当たり平均で500円弱を上乗せ徴収する「子ども・子育て支援金」について、将来的に国民の負担率が増す可能性に言及した。日本維新の会の音喜多駿政調会長の質問に答えた。

ただ加藤氏の答弁後、岸田文雄首相が否定的な認識を示し、音喜多氏が「すばらしいフォロー」と痛烈に皮肉る場面があった。

質疑の中で音喜多氏は「(関連法案が)一度成立してしまえば、なし崩し的にその負担が増えていく可能性もある。厳しい言葉で言えば唾棄(だき)すべき最悪の制度だ」と批判。「どう詭弁(きべん)をとりつくろっても、国民からすればこれは負担増」「法律を見ると、政府の一存で引き上げられる可能性がまったく否定できない内容になっている」と指摘。「負担額は上がっていく可能性はあると思いますが明確にご答弁ください」と質問すると、担当大臣の加藤氏ではなく政府参考人の子ども家庭庁の官僚が答弁に立った。

音喜多氏は「上がっていくことを完全に禁止する規定にはなっていない。可能性としては法的に否定できない、というシンプルなことを聞いている」として答弁を求めたが、内容に納得できず審議が一時ストップ。その後、役所側は「可能性としてはある」とした上で「法律上はさまざまな立て付けがあり、基本的に増加していく仕組みにはなっていない」と答弁したが、音喜多氏は再度、加藤氏本人の見解を求めた。

しかし、加藤氏は「政府参考人(の官僚)が答えたとおりです」と、そっけなく答弁。「今のおかしくないですか? 少し繰り返したらいいじゃないですか。可能性あるんですよね。参考人はここまで助けてくれた。大臣、正面から答えてくださいよ。総理でもいいですよ」と、音喜多氏が加藤氏の雑な対応に憤ると、加藤氏はあらためて「法律の立て付け上、可能性としてはあります」と認めた。

音喜多氏は「社会保険料は、これまでにもなし崩し的に引き上げられてきた。今回の法案も歳出改革に失敗すれば、結局いつの間にか国民の負担につながっていく」として、少子化対策関連法案の即時撤回を岸田首相に要求。すると首相は「法律論としてはその通りかもしれませんが、政治的にはこうした答弁を通じて負担増加は考えていないと、再三申し上げている。国会答弁を通じ、勝手に政府が負担率を上げるなどということはないということを確認することが大事」と述べ、「負担増」の打ち消しに躍起になった。

音喜多氏は「加藤大臣へのフォローは素晴らしいと思いますけど。私は実質増税だと思う」と、チクリ皮肉ることを忘れなかった。