「大好きな野球を明るく楽しく元気に」。戸田シニア(北関東支部・南部ブロック)八木橋治郎監督は、着任した26年前から一貫してこのスローガンを掲げる。「中学は基礎固め、高校で羽ばたけ…が私の希望。逆に言えば、高校で羽ばたきたいなら今この時このプレーを真剣にやれということ。これだけは厳しく言ってます」(同監督)。

半世紀近い歴史あるチームだが部員は減少気味。それでも、仲間たちと懸命に白球を追う毎日だ。「逆境を逆手にとり、主将を数カ月ごとに交代するなど新しい試みもしています。別の視点からチームを見ることは、必ず社会に出て役に立つと思うからです」と同監督。

注目の選手は? との問いに、「どんぐりの背比べですが」と謙そんしながらも佐々木寧大の名が挙がった。外野と遊撃、投手も兼ねる選手で打順は1番か3番。練習試合では本塁打を放つなど攻守の要として成長が楽しみな1人だ。投手陣は他に刈田慶一(兼遊撃手)、平柳瑞葵(兼外野手)らが後に控える。

毎年夏には福島県白河市で合宿。3年はここで卒団しOBも各地から集合する。「笑顔で楽しく野球する姿を後輩に見せてもらうためです。甲子園から激励の電話をくれるOBもいるほど、卒団生が楽しみにしている」。その姿がこのチームの“魅力”を物語る。