入間川河川敷のグラウンドには井戸水が湧き、夏場は選手がその水をかぶって体を冷やす-。そんな光景が大宮東シニア(北関東支部・南部ブロック)の昨年までの風物詩だったが、台風被害で壊滅。復旧の見通しはいまだに立たない。それでも高橋伸監督以下、16人の選手は逆境をはね返すべく、体力作りのトレーニングに励んでいる。

「筑波大大学院で体育学を専攻したコーチの指導により、股関節、肩の可動域、体幹の3つを軸に鍛えています」(同監督)。

チームは現在、2年生がいない状況。積極的な勧誘と、保護者の負担を減らすためのお茶当番廃止など改革を行って16人を確保した。中には、ようやく硬球の扱いに慣れてきたばかりの選手も多い。

「右翼手の山本康生が主将としてのとりまとめ役。その能力は高く、外野と内野の両方ができます。エース投手の平尾拓翔は3番か4番に座るパワーヒッター。入団早々に本塁打を放っています。5番には50メートルを6秒台前半で走る俊足の小林永遠(一塁手)と、有望株がめじろ押しですよ」

試合に際しては、大会ごとに背番号を全て入れ替える試みも行っている。与えられた背番号に奮起し、役割を果たす自覚を促すためだ。