七沢温泉に近い、山のふもとに位置する専用グラウンド。冬は切り出した竹をドラム缶で燃やして暖をとる。自然豊かな環境のため、時には猿が現れることも-。そんなのどかな光景だが、港北シニア(南関東支部・北ブロック)の練習は濃密だ。課題である守備力強化をと、この冬は集中力を高めて球際に強くなる特訓を行った。「ケージが2つでマシンが3台。夜の自主練習は毎日行っています。これは、率先して取り組む村上貴浩主将の頑張りと統率力のたまもの。投手としての闘争心が強く、捕手、中堅手もこなすチームの大黒柱です」と江口邦人監督。

村上が投げるときの捕手は萩峯大敬。投手をすることもあり、速球派でツーシームが武器だ。この2人がチームの主力となる。

「打撃陣もいいですよ。遊撃手の渡邊智洸が1番で切り込み隊長。2番は都筑雄大。そこに村上と萩峯が3番、4番で入ります」(同監督)。チームは41年の歴史を誇り、夏の選手権大会出場経験もある。オリックス黒木優太投手(16年ドラフト2位)を輩出し、甲子園出場組が7人いるのも自慢だ。「せっかく野球を目指したんだから大学までやろうよ」と、同監督は選手たちを鼓舞している。