こんにちは。先週に引き続きニューマーケットから、バスラットレオンとキングエルメスの2頭の近況をご報告します。2頭の話をする前に、ニューマーケットは雨が少なく非常に乾燥していて、気温も朝は寒く昼ごろはそれほど暑くありません。私が知っている、イギリスの天気とはかけ離れていると、皆さまにお伝えしたいです(笑い)。

まずキングエルメスですが、先週の木曜日にミシュリフの主戦として有名なデビット・イーガン騎手に手伝ってもらい、追い切りをオールウエザーコースのアルバハットリーで行いました。とてもいい動きで、いい状態で9日のジュライカップを迎えることをうれしく思います。

私自身、数々の海外遠征をお手伝いさせていただいていますが、ここまで長い海外輸送は初めてで、ましてや3歳馬のキングエルメスが、順調に輸送をこなしてくれたことに驚きすら感じるほどです。そして、滞在しているヴァリアン厩舎の素晴らしい環境のおかげで、環境への適応も早くできたことが、今回の追い切りにつながります。

日本時間の今夜には最終追い切りを鞍上の坂井騎手を背に、レースで走るニューマーケット競馬場のジュライコースで行う予定です。ここまで本当に順調にきていることは、矢作厩舎が持つ海外遠征の経験値と馬の精神力の強さだと思います。レースは馬場への適応やレース展開、ペースなど未知な部分が多いと思いますが、まずは馬がいい状態でレースに臨めることが、海外遠征の中で一番大事だと感じています。

ここまではキングエルメスのお話でしたが、ここからは、バスラットレオンのお話をさせていただきます。彼もここまで本当に順調で、出走を予定しているサセックスステークスが27日なので、そこから逆算しながら調整を行っています。先週の土曜日にニューマーケットの坂路、ウオーレンヒルで追い切りを行いました。この追い切りから、1段ずつ状態が上がっていくと思える動きだったので、非常によかったと思います。ここから徐々に調教の負荷の強度も上がっていくと思いますが、このまま順調に行ければ、素晴らしい状態で本番を迎えられそうです。

最後にキングエルメスが出走するジュライカップが、グリーンチャンネルで中継されるそうなので、遅い時間ではありますが応援のほどよろしくお願いします。(レースホースコーディネーター)

ニューマーケット競馬場ジュライコースのスタンド
ニューマーケット競馬場ジュライコースのスタンド
スタートしてからの下り坂。ここがレースの鍵になりそうです
スタートしてからの下り坂。ここがレースの鍵になりそうです