こんにちは。今週はジャパンカップが東京競馬場で行われます。私も今からとてもワクワクしています。今年はフランスから3頭、ドイツから1頭の海外勢が参戦します。実績的に一番有力と言えるのは今年7月のパリ大賞を勝利したオネストですが、鞍上に東京競馬場もフランス馬も知り尽くししているルメール騎手を迎え、陣営の勝ちに来ている姿勢を強く感じます。

ドイツから来日したテュネスは未知の実力を持ち、非常に不気味な存在だと感じます。ここ2走は着差の大きい勝ち方をしていて、ポテンシャルは計り知れないところです。私個人としては、来年の凱旋門賞では有力候補になっていても不思議ではないと感じています。また今年のジャパンカップは、東京競馬場内に国際検疫厩舎が新設され、外国馬は競馬学校から東京競馬場への輸送がなくなり、より調整しやすい環境が整えられました。この点も海外勢にはプラスになるはずです。

よく「馬場が渋ればヨーロッパ勢が走りやすくなる」と言われますが、私自身は今年の凱旋門賞に参加し、日本とヨーロッパでは馬場の質が全く異なると感じました。東京競馬場の高速馬場とヨーロッパの高速馬場もまた違うと感じますし、札幌競馬場の洋芝もヨーロッパとは違うと感じます。

そんな中、外国馬を国内の馬たちとどう比較するのがいいのかと考えると、馬の状態と追い切りの強さなどを注目するといいと思います。具体的には、しまい3ハロンをどれくらいのタイムで走るかです。馬なりの場合は、馬体の回復が遅い可能性があります。現在のヨーロッパの主流調教は、馬なりではなく、より速いラップを刻んで体力的にきつい状況を日々作ることです。この調整方法は、フランスもドイツも同じです。ぜひ、参考にしてみて下さい。

4頭の中で東京競馬場の馬場が合う馬が現れたら、より日本馬との直線の攻防が激しいものになるので、ぜひその状況を見てみたいと願っています。最後にジャパンカップはレースだけでなく、イベントなども充実していますので、生観戦する予定の方はぜひ楽しんでいただきたいです。(レースホースコーディネーター)

ジャパンCに参戦するドイツのテュネス
ジャパンCに参戦するドイツのテュネス